はじめに
こんにちは!
今回は『わにわにとあかわに』(小風さち・文、山口マオ・絵、福音館書店、2013.2)の感想を書いていこうと思います。
要約
まずはざっくりの要約です!
ワニワニが自宅で昼寝から目覚め、廊下を歩きます。
すると突然扉が開いて、見知らぬ小さなアカワニが現れます。
ワニワニはアカワニにプリンをあげたり、お風呂に一緒に入ってもてなします。
そして、二人で口を開けて夕陽にひなたぼっこをします。
夜になり、アカワニは帰っていきます。
音の表現が独特でクセになる
音の表現が独特でクセになります。
例えば、ワニワニが廊下を歩く音は「ずる ずり ずる ずり」で、
アカワニが歩く音は「カシャカシャ」です。
「ずる ずり」にはワニワニがのそのそと這っていく様子が目に浮かびます。
「カシャカシャ」は、ワニワニの「ずる ずり」と比べるとかなり速い感じがしますね。
小型犬など見ていると足の動き速っと思うことがありますが、アカワニも体が小さい分、足の動きが速くて、すばしっこいのかなぁ、なんて思いました。
他にもワニワニとアカワニがお風呂から出て、タオルで体を拭くシーンがあります。
ワニワニは、「ぐにっ ぐにっ」
アカワニは、「くにっ くにっ」
大きいワニワニと小さいアカワニとでサイズ感の違いが、音によく現れている感じがしました。
「ぐにっ ぐにっ」の方が濁音のせいか重い印象を受け、「くにっ くにっ」の方が軽い印象を受けました。
「オー!ララー!」が気持ちいい
一番面白いのは、「オー!ララー!」のシーンです笑
これは、ワニワニがアカワニをお風呂に入れた際のセリフです。
ワニワニがアカワニを洗面器に入れて、「入るかな?」と恐る恐るお風呂に浮かべるのですが、その洗面器からアカワニが飛び出すときの、(たぶん)アカワニのセリフです。
それまで見知らぬ他人で、何となく緊張していた雰囲気がありました。
例えば、アカワニにプリンをあげるシーンでは、ワニワニの手元で牛乳が溢れていて、ちょっと緊張してるのかな?と感じました。
そういう緊張がこの「オー!ララー!」とともに一気に解放されます。
この緊張からの緩和がちょっと面白いです。
「オー!ララー!」を言ったのはどっち?
細かいですが、「オー!ララー」を言ったのがワニワニなのかアカワニなのかが気になりました。
「オー!ララー!」はフランス語(Oh, la! la!)で「おやまぁ」とか「あらら」という意味があるようです。
とすると、もしかしたらこのセリフはアカワニではなく、ワニワニが、アカワニが飛び込んだことに驚いて言ったセリフかもしれません。
逆に、アカワニが言ったのだとしたら、フランス語が話せるアカワニは、もしかしたらフランスから来たのかも…ワニワニの会話しなかったのも、フランス語しか話せないからかな?…と想像が膨らみますね。
どっちが言っていても面白いですが笑
ワニワニの細かな優しさにほっこり
ワニワニの細かな優しさも筆者は好きです。
例えば、見知らぬ来客であっても、とりあえずプリンをあげたり、ワニワニの好きなお風呂に招いたりと、もてなす優しさ。
他にも、アカワニをお風呂に入れるときに、いきなりどぼんと湯船に入れずに、洗面器に入れて湯船に浮かべるところ。
さらに、ワニワニがプリンをあげるシーンで、ワニワニはプリンじゃなくて牛乳を飲んでいます。
もしかしたらワニワニが食べる用のプリンで一つしかなかったものを、アカワニにあげて、ワニワニは牛乳で我慢したのかもしれませんね。
そんな、ワニワニの見知らぬ他人への優しさ、気遣いみたいなものが何とも愛らしいのです。
非日常を味わえる
ワニワニと一緒に非日常感を味わえるのも、本作の魅力です。
最初の始まりは、ワニワニが自宅で昼寝をしていて目覚めるところから始まります。
何でもない昼寝から、突然見知らぬ小さなアカワニがやってきて、最初は緊張しているが、次第に打ち解けて仲良くなって、そして夜には去っていく。
そんなワニワニと一緒に非日常、一期一会の出会いと別れを一緒に味わえるも本作の魅力です。
まとめ
今回は、の感想を書いてみました。
ワニワニシリーズにハマりそうです。
それでは、また次回!