『土竜の唄』パピヨンの名言②『面白くない奴ァいつも頭ん中で、面白くないことを考えている』

名言

はじめに

みなさんこんにちは!
今回は、漫画『土竜の唄』(高橋のぼる、小学館)から名言一つを紹介します!

面白くない奴ァいつも頭ん中で、面白くないことを考えている。
(中略)
人間ってのは面白くなくちゃいけねぇ。笑えるか笑えないかだ。
(中略)
せっせせっせとシャブ捌(さば)いて、人間の骨の髄までシャブり尽くして面白ぇか、鶴條(つるじょう)。
(中略)
思い出せ…ヤクザになった理由(わけ)を。
     by 日浦匡也(パピヨン)

     出典:『土竜の唄』(高橋のぼる、小学館) 586話

セリフの登場シーン

数奇矢会・会長の轟周宝(とどろき しゅうほう)はシャブで大金を稼いでました
数奇矢会(すきやかい)の幹部、日浦匡也(ひうらまさや)は轟を倒すために豪華客船ヘヴンリー・アマゾネス号に乗り込みます。

日浦自身は轟の部下でしたがシャブで大事な人を失った過去があり、シャブが大嫌いです。
また、轟とは以前から数奇矢会はシャブはやらない、と決めていました。

しかし、実は轟が日浦に隠れてシャブで大金を稼いでいたことを知り、「シャブをやらない数奇矢会」を作るために轟を倒しに向かいます。

ヘヴンリー・アマゾネス号には轟の部下が多数乗り込んでいます。

日浦はそいつらを叩きのめしながら、轟の元へ向かいます。

その中の部下の一人が、「鶴條」(つるじょう)でした。

鶴條自身もシャブを扱いながらも、心の底では「こんなことをしたかったんじゃない、かっこいい漢になりたかったんだ」という葛藤を抱えていました

その本心に突き刺さる言葉を、パピヨンは放ったのでした。

「自分は今、面白いことを考えているか?」という視点

この名言のよさは「自分は今面白いことを考えているか?」という視点をくれることです。

人はものを考えるときに、考えることに夢中になります。
すると、その考えで頭がいっぱいになってしまい、「そもそもなんでこんなことを考えていたのか?」とか、「自分の考え方って合ってるのかな?」という一歩引いた視点を見失ってしまうのです。

そこを「面白くねぇ奴は頭の中でいつも面白くねぇことを考えている」というセリフは、
「自分は何を今考えているのだろう?」
「今自分が考えていることは、面白いかな?」
と、一歩引いて「今まさに考えていること」について考え、評価するのです。

この視点は例えば、落ち込んでいる時に有効です。

私自身の経験ですが、気分が落ち込んでいる時とか、「あれ? 私今、面白くないこと考えてた?」と一歩引いた目線で自分を捉えてみたのです。

すると「なんかクヨクヨ下らないこと考えてたなぁ」と気持ちを切り替えることが出来ました。

他にも、「人と比べて自分はなんて惨めなんだろう」、とか、「どうせ自分なんて」とか、「あのときああすればよかったなぁ」とか…

そういうネガティブで後ろ向きな感情に対して
「そんなこと考えてて面白い?」と、吹き飛ばす力がある
ように感じます。

元気になりますね。

この名言は「考えることを考える」というような、メタ的な認知の仕方を教えてくれます。
そして、嫌な気分を吹き飛ばしてくれるのです。

まとめ

今回は、パピヨンの名言を一つ紹介しました。
前向きになれるかっこいいセリフですね。
それでは、また次回。

この記事を書いた人

都内私立大学を卒業→大学院進学→メーカーに就職←イマココ、のアラサーブロガー。高校3年生の現代文の授業で、『舞姫』(森鴎外)の解説を受けてから文学にハマり、以降文学書を読み漁る。好きな作家は村上春樹、夏目漱石、太宰治。
いろんな作品の考察や感想を書いていきます。たまに書評も。

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