天気の子のヒロイン、天野陽菜(アマノヒナ)の父親は誰?神様?

今回は、映画『天気の子』(2019、新海誠監督)のヒロイン天野陽菜(アマノヒナ)のお父さんは誰なのかについて考察します。

結論から言いますと、ヒロインのお父さんはではないかと推測できます。
この後、そう考えた理由を書いていきます。

タイトルより、天野陽菜(アマノヒナ)の父親は神説?

天気の子、というのは考えてみれば不思議なタイトルです。
「○○の子」といえば、○○に入るのは子の親であり、人の名前とか動物とかが入るのが普通でしょう。
しかし、「天気」は子供を持ちません。
「天気」が擬人化されているのです。
子=天野陽菜(アマノヒナ)として、文字通りに解釈するなら、陽菜は「天気」が親であることになります。

そして、「天気」は作中、壁画で竜として描かれたり、気象神社の住職の言葉にて

天気とは天の気分。人の都合などかまわず、正常も以上も測れん。
湿ってうごめく、天と地の間で、振り落とされぬようしがみつき、ただ仮住まいさせていただいているのが人間

『天気の子』 住職のセリフより

と語られるように、人間が振り回される存在、人間よりも上位の存在として表現されています。

人間より上位で子供を持てるとしたら、それは「神」なのではないでしょうか。
作中で、ヒロインのお母さんは病床に伏していて亡くなったので、神ではなさそうです。

すると、ヒロインの父が神であることになります。

神と人間の女性がくっついて子供をもうけることなんてあるの?

神と人間の女性がくっついて子供をもうけることなんてあるの?
という疑問が浮かびますが、答えはイエスです。

ギリシャ神話のゼウスは女好きで次々と人間の女性に手を出し、25人もの子供をもうけました。
例えば、人間を超えた怪力で知られるヘラクレスも、最高神ゼウスと人間の女性アルクメネの間にできた子供です。
神と人間のハーフの子供たちは「半神」と呼ばれ、不思議な力=魔力を持つこともしばしばあったようです。

天気を操る力を持っているヒロイン

半神についてはwikipediaに下記の説明があります。

半神は、不死の神と異なり寿命を持ち人と同じように殺される存在であるが、非常に長命で若い姿のまま同年代の人間が年老いて死んでも生き続け、能力は常人のそれを超えていることが多く神のように特殊な力を持つこともある。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%8A%E7%A5%9E

とあるように、半身は特殊な力を持つことがあります。
作中において、ヒロインは天気を操り、時に雷を好きな場所に落とすことさえできました。
これは明らかに人を超えた特殊な力であり、半神の特徴に当てはまっています。

余談ですが、半身は寿命があり死ぬこともあるようなので、ヒロインのお母さんが半神であった可能性もありそうです。

そういえば、ヒロインとその弟は頼れる親戚などもいなさそうでした。
お母さんが半神であり寿命が長いとすると、人間の血族は皆死に絶えてしまい、結果、人間界には頼れる人がいなくなったとも考えられます。

天上に連れ去られるヒロイン=かぐや姫?

ヒロインは物語の終盤で天上に連れ去られてしまいます。

同じような内容の物語を身近に探すと「かぐや姫」が挙げられます。
かぐや姫は実は月の住人であり、罪を犯して、罰として地上に送られてきました。
赤ん坊の状態で地上に来て、成長し、若く美しい女性に成長したのち、天からの迎えによって月に連れていかれました。

かぐや姫らは月と地球を移動可能であり、人間を超越した力を持っているという点では、神と言っても過言ではありません。
一度地上に送られてきてから、年若くして神の力で天上に連れ去られるという点で、ヒロインはかぐや姫と似ています。
かぐや姫が人ならざるもの、神であるならば、ヒロインも神であると言えるのではないでしょうか。

まとめ

今回はヒロインのお父さんが神様という説について考察しました。
ヒロインのお父さんについて、映画でははっきりと描かれませんが、小説では何かヒントがあるのかもしれません。(小説はまだ読んでません!読まずに書いてます、すみません!)
近いうちに小説も読んで確認してみようと思います。

この記事を書いた人

都内私立大学を卒業→大学院進学→メーカーに就職←イマココ、のアラサーブロガー。高校3年生の現代文の授業で、『舞姫』(森鴎外)の解説を受けてから文学にハマり、以降文学書を読み漁る。好きな作家は村上春樹、夏目漱石、太宰治。
いろんな作品の考察や感想を書いていきます。たまに書評も。

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