『天気の子』の陽菜(ヒナ)がかわいい?あざとさの理由を考察

今回は、新海誠監督の作品『天気の子』(2019)のヒロイン陽菜(ヒナ)が、主人公帆高(ホダカ)に対して見せたあざとさ、かわいいアピールについて考察します。

結論から書くと、陽菜(ヒナ)は、天気の巫女としての神隠しをキャンセルするために、意図的に帆高を誘惑したと解釈できます。

陽菜(ヒナ)が帆高(ホダカ)にかわいいアピールをして誘惑する理由

陽菜が帆高を誘惑する理由は、天気の巫女として神隠しにあうことをキャンセルするために、帆高が必要だったからです。

作中で陽菜は、天気の巫女として、東京を晴にするために天上に連れ去られてしまいました。
しかし、主人公の帆高が天上にアクセスして「東京の天気よりも陽菜(ヒナ)の命を選ぶ」という選択をすることで、陽菜(ヒナ)は地上に帰ることに成功します。
言い換えると、帆高(ホダカ)がもしも天上に助けに行かなかったら、陽菜(ヒナ)は地上に帰ることはできなかったのです。

陽菜(ヒナ)は地上に帰るために、つまり生きるために、帆高が必要だったと言えます。

そして、陽菜(ヒナ)がもし何らかの方法で、天上から帰るために帆高が必要だということを知っていたとしたら、冒頭から陽菜(ヒナ)が帆高(ホダカ)にしてきたことは、全て誘惑だったと捉えることができます。

陽菜(ヒナ)のかわいいアピール

作中で陽菜(ヒナ)が帆高を誘惑するためにしたことを挙げていきます。

ビッグマック

そもそも二人の出会いは、陽菜(ヒナ)が、東京・新宿に家出したきた帆高(ホダカ)に、ビッグマックをごちそうしたことから始まりました。
お腹を空かした家出少年にご飯をあげることで、好かれようとしたと捉えられます。

ここで注意したいこととして、最初に二人の関係を始めたのは、陽菜(ヒナ)の方なのです。
この「逆ナン」は、陽菜(ヒナ)にとって、帆高(ホダカ)が必要だったためにしたことだと言えます。

陽菜は、天上に自分を救いに来てくれて、さらに東京の天気よりも自分のことを選んでくれるほどに強い絆を築ける相手として、異性であり家出少年である帆高を選んだのです。

手料理

最初に帆高が陽菜(ヒナ)の家に遊びに来たときに、陽菜(ヒナ)は手料理をふるまっています。
手料理をふるまうのは、異性への一種の「誘い」として読み取れます。

他の作品でも、新海誠監督は、『言の葉の庭』(2013)で高校生の秋月孝雄(アキヅキタカオ)が女教師の 雪野百香里(ユキノユカリ)に手料理をふるまった直後に、孝雄に愛の告白をさせています。

手料理を振る舞うことには、異性への「誘い」のようなものが含まれていると推測できます。

ホテルでのお風呂上り

警察に追われる帆高と、児童相談所から追われる陽菜(ヒナ)が、雨雪の中たどり着いたラブホテルでのシーンです。

このとき、お風呂上がりの陽菜(ヒナ)は、髪がぐっしょりと濡れた状態で、バスローブをまとって現れました。
帆高(ホダカ)は陽菜(ヒナ)の姿に顔を赤らめます。

着替えをしっかりせずに、湯上りの姿そのままで現れることで、帆高(ホダカ)を誘惑していると考えられます。

陽菜(ヒナ)は帆高と眠るホテルのベッドの上で、体が消えていることを示すためにバスローブの前側をはだけ、体を帆高(ホダカ)に見せました。

ホテルではだける

帆高(ホダカ)に自分の体が消えていることを示すのが目的なら、腕をまくるだけでもよかったはずです。
ここであえて胸や腹を見せたのは、帆高(ホダカ)を誘惑するためだった思われます。

まとめ

今回は、陽菜(ヒナ)が帆高(ホダカ)を誘惑する理由と、具体的な誘惑の内容を書いてみました。
もしかしたらこうなのでは?という自分ならではの解釈をしてみるのも、映画鑑賞の楽しみの一つですね。