記事を見つけてくださりありがとうございます。
今回は、新海誠監督のアニメ映画『君の名は。』(2016)の名言を、筆者が5個厳選したので、1位から順番にお届けしたいと思います!
では、早速参りましょう。
※本記事は、ネタバレを含みます
君の、名前は?
君の、名前は?
瀧、三葉
出典 https://twitter.com/kiminona_movie
本作のタイトルにもなっている台詞を選ばせて頂きました。
実はこの台詞、作中で三回も登場しています。
(三回分のシーンについては、別記事で紹介予定です!)
個人的に一番印象的なのは、瀧が、三葉と山頂で再会した後に、名前が思い出せずに叫ぶシーンです。
その後、三葉はお父さんの説得に向かいますが、瀧の名前を忘れた上にアスファルトでずっこけて、くじけそうになります。
もう全部諦めたくなったそのときに、手のひらに書かれた「好きだ」の文字を見て、再び立ち上がります。
お互いの名前は忘れてしまったけれど、「好きだ」という思いは届いて、その思いが人を励まし、人を動かす。
思いは、時空を超えて奇跡を起こすということを教えてくれる台詞ですね。
「思いは時空を超える」というのは、瀧の「好きだ」という思いが三葉を励ましたことの他に、もう一点当てはまる点があります。
それは、宮水神社の伝統行事です。
千年前に隕石の落下を受けた人々が、「未来の人たちに同じ悲しみを味わってほしくない」という強い思いを抱いて形作った宮水神社。
それが千年の時を超えて町民たちを救ったのです。
そういえば、近年大ヒットした『鬼滅の刃』でも、無惨を倒したいという千年の思いが、死屍累々の上に引き継がれ、最終的に思いを果たすことができていました。
「思いは時空を超える」
普遍的なテーマなのかもしれませんね。
これじゃあ、名前、分かんないよ
これじゃあ、名前、分かんないよ
宮水三葉
出典 https://twitter.com/kiminona_movie
住民を避難させるために、父である町長の説得に向かった三葉が、つまづいて転んでくじけそうになったとき、手のひらに書かれた「好きだ」の文字を見てつぶやいた言葉です。
くじけそうになったときに、顔も名前も忘れかけてしまったけれど、確かに自分を絶対的に肯定してくれる存在を思い出す。
その存在に励まされて、つまずいてもまた立ち上がって、試練に立ち向かうことができる。
そういう三葉のいじらしさに感動する台詞です。
普段は意識もしませんが、誰しも自分を肯定してくれる存在が必要としていて、自分にとってのそういう存在を思い出して、なんだか自分も励まされているような気持ちになれる、そういうシーンでもあります。
より集まって形を作り、捻れた絡まって、時には戻って・・・
土地の氏神さまのことをな、古い言葉で産神(ムスビ)って呼ぶんやさ。(中略)糸を繋げることもムスビ、人を繋げることもムスビ、時間が流れることもムスビ、(中略)それは神様の呼び名であり、神様の力や。(中略)よりあつまって形を作り、捻れて絡まって、時には戻って、途切れ、またつながり。それが組紐。それが時間。それが、ムスビ
宮水一葉
山の上のご神体に、口噛み酒を供えに行くシーンで、おばあちゃんが言った台詞です。
本作のテーマと深く関わっている台詞ですね。
『君の名は。』は、時空を超えて二人の男女が結びつき、災害から人々を救うという話でした。
神様に選ばれた二人の、運命的な、宿命的な結びつきが、テーマと言えるでしょう。
また、二人だけではなく、町の人々を救うことができたのには、様々な人たちの助けがあったためと言えます。
例えば、瀧と一緒に糸守町を探した小野寺先輩や司くん、さらに糸守町へ導いたラーメン屋のおじさん。
さらに、三葉とともに町民を避難させたテッシーやサヤちん。
いろんな人たちの繋がりによって、町民の避難が完了しました。
そういう、人々の繋がりが起こす奇跡が描かれています。
君もいつか、ちゃんと、しあわせになりなさい。
君もいつか、ちゃんと、しあわせになりなさい。
小野寺先輩
出典 https://twitter.com/kiminona_movie
瀧が大学生になり、就活をしている時期に、久々に小野寺先輩とお茶をして、その帰り際に小野寺先輩が言った言葉です。
小野寺先輩はこのとき、結婚が決まった直後だったので、瀧にも自分と同じように、「いいパートナーを見つけなさい」という意味を込めて言ったものと思われます。
言葉の裏を返せば、瀧は今はしあわせではない、ということになります。
また、「ちゃんと」という言葉からは、「今もし瀧自身が、自分を幸せだと思っているとしても、それは「ちゃんと」したものではない。本物ではない。」そういう意味が込められていると読み取れます。
瀧は三葉と分かれて以降、三葉の名前や存在を忘れてしまいましたが、でもうっすらとその影は引きずっていて、心の底で求め続けている状態です。
小野寺先輩のこの台詞は、瀧に自分が満たされていないことをしっかりと自覚することを促します。
人は自覚すれば前に進む行動を取れるので、そういう意味ではとてもよい声がけですね。
また、同時に、瀧の空腹感というか、満たされない感覚に対してそっと寄り添っています。
さすが小野寺先輩です。
これで、二人仲良く犯罪者や!
これで、二人仲良く犯罪者や!
テッシー
出典 https://twitter.com/kiminona_movie
テッシーと三葉が、発電所のフェンスの鍵を切断するシーンの台詞です。
このあと発電所の爆発を、テッシーと三葉がバイクに二人乗りしながらハイになっている姿も、青春の一ページで微笑ましいですね。
(もちろん現実でやったら許されませんが・・・)
青春時代のやんちゃに惹かれてしまうのってなぜでしょうね。
尾崎豊の「卒業」の歌詞、「校舎の窓ガラス壊して回った」を思い出しました。
「卒業」がヒットするからには、ある程度この「青春時代のやんちゃ」が多くの人に肯定されるのだと思います。
その理由はもしかしたら、守られている中でする悪さだからかもしれません。
もちろん時代にもよりますが、学生時代には多少やんちゃをしても叱られて済まされるものです。
大人になってから同じことをすれば、「犯罪者」として一生に影を落とすことになりますが。
守られている中で、やんちゃをしてでもなんだかんだ結局は社会から受け入れられる。
そういうある種の「甘え」に対して、もう中々「甘え」られない大人たちが、郷愁を抱くのかもしれません。
まとめ
今回は『君の名は。』の名言を5つ選んでお届けしました。
三葉と瀧の純粋に人々を助けたいという思いと、勇気や行動には励まされます。
また、瀧と三葉が分かれた後に思っていたであろう「運命の相手がどこかにいて、その人は自分を無条件に肯定してくれるんだ」という信念は、生きる上で力になりますね。
機会があったら、これ以外の名言もご紹介したいと思います。
それでは、また。
参考文献
『小説 君の名は。』2016、新海誠、角川文庫
アイキャッチ画像 出典 https://twitter.com/kiminona_movie